京急線弘明寺駅から徒歩5分のビル4Fに位置し、以前は留学生のためのシェアハウスとして運営されていた空間を、「共創型コリビング」という新たなシェアハウス形式に生まれ変わらせるプロジェクト。
求められたのは、YADOKARI株式会社が名付けた「ニューヤンキー」と呼ぶ次世代の新しい文化を想像する若者が14人集まって住み、互いに刺激し合い生活しながら、ゼロイチで何かを創り出すエネルギーを包容する住空間である。
総面積400m2のうち、共用部が贅沢にも50%を占める。
限られた予算において、この広い共用部を彼らがクリエイティブに使いきり、化学反応を起こしていく空間の実現を考えた。
用いたのは、可動式の家具「エッグファニチャー」と、環境をつくる要素へ昇華させたサイングラフィックである。
エッグファニチャーは、シェアハウス中央に位置し、複数の部屋を横断しつながりを作りだす。一方で家具はキャスター付きであるので、大きな共用部を思うがままに移動可能だ。
そして共用部に散りばめられた数多くのグラフィックは、日常生活の中に刺激をもたらすメッセージでありながら、家具の可動性を高めるサインとしての役割がある。
分散して個々に使い、集まって皆で使う。
舞台裏のように、未完成で雑多な集合体でつくられるこの場所で起こる、人やもの、情報などあらゆる物の「屯い」は、より複雑に関係し合って予想を超えた創造力を
生み出してくれるだろう。
DATA
竣工
2022.01
所在地
神奈川県横浜市
クライアント
YADOKARI株式会社
用途
シェアハウス
設計期間
2020.11-2021.06
施工期間
2021.07-2021.10
延床面積
422.77㎡
CREDIT
企画・デザインディレクション
YADOKARI株式会社
施工
コーケン株式会社
グラフィックデザイン及び施工
峯山裕太郎
フォント制作
佐藤秀悦
タイル施工
横浜タイル工房(土屋忠宣)
食器・キッチンツールセレクト
廻り道
写真
倉本あかり