ゆめうつつ

ゆめと現実の狭間に、新たな創造性がないだろうか。
哲学カルチャーマガジン『ニューQ』を手がける、セオ商事さんのオフィス改修プロジェクト。
抽象的な概念や社会、身近なもの全てを対象とした哲学には、人間の活動や生み出すものへの確かさと不確かさがあるからこそ考えを巡らせ、誰かと対話する面白さがあるのではないでしょうか。

あるようで無い体験や、何かがいつもと違う違和感。
意図があるようでない、不確かさ。
彼らの活動を空間化するにあたって、「ゆめ」で体験するような“変で善い”創造性を、既存の空間を下敷きにして表すことができないかと考えました。
全体のベースカラーのピンクベージュは、ぼんやりとした捉えどころのない印象を目指し、尚且つニューQのテーマカラーであるブルーとの相性も考慮し選定しています。
既存の出窓をチャームポイントに変えるため円形のブルーパネルを配置したり、トイレへの扉もブルーとして扉の向こう側を想像する仕掛けとしました。既存の梁は、構造物から装飾的なインテリアに捉え直すよう、円が連続する模様を施しています。

今回試みたのは、住居やオフィスなど、空間を形づくる間取りや機能では語られない、抽象的な空間のつくり方。
一人で仕事をすることもあるし、みんなで鍋をすることもある。
家でもオフィスでもない、捉え方に考えを巡らすこの部屋が、ありそうで無かったアイデアが生まれる場所として、また新たな出会いや時間をつくるきっかけになることに期待したいです。



DATA

  • 竣工

    2023.12

  • 所在地

    東京都目黒区

  • クライアント

    セオ商事

  • 用途

    オフィス

  • 設計期間

    2023.10-2023.11

  • 施工期間

    2023.12-2023.12

  • 延床面積

    24.06㎡

CREDIT

  • 施工

    株式会社プラスティ

  • 写真

    倉本あかり

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